確定申告する必要がある場合とは

次の①〜④のうちいずれかに該当する場合は、原則としてアフィリエイトなどのネットビジネスの収入について確定申告しなければなりません。

① 次の(ア)(イ)(ウ)(エ)のすべてに当てはまるとき

(ア) 1か所のみから給与の支払いを受けている会社員などの給与所得者

(イ) 年末調整をしている

(ウ) 「ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得」が1円以上

(エ) 給与所得と退職所得以外の所得の金額の合計額(「ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得」を含む)が20万円を超える

② 次の(ア)(イ)(ウ)(エ)のすべてと(オ)(カ)のどちらかに当てはまるとき

(ア) 2か所以上から給与の支払を受けている会社員などの給与所得者

(イ) 年末調整をしている

(ウ)「ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得」が1円以上

(エ) 主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額(「ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得」を含む)が20万円を超える

(オ) 給与所得の収入金額から、各所得控除(雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除を除く)の合計額を差し引いた金額が150万円を超える

(カ) 給与所得と退職所得以外の所得の金額の合計額(「ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得」を含む)が20万円を超える

③ 次の(ア)(イ)(ウ)のすべてに当てはまるとき

(ア) 年末調整をしていない

(イ) 「ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得」が1円以上

(ウ) その年中の所得の合計額が、すべての所得控除額の合計額を超える(※)

※配当控除については考慮していないことに留意してください。

④ 次の(ア)(イ)のすべてに当てはまるとき

(ア) ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得以外の何らかの理由で確定申告をする人

(イ) アフィリエイトなどのネットビジネスで1円でも収入がある(赤字だとしても)

①〜④の解説

上記の①〜④について順番に解説していきます。

①について

こちらは1か所のみから給与の支払いを受けている給与所得者の場合です。
一般的な会社員の方はまずこちらで判定することになります。

(ウ)の「ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得」とはアフィリエイトなどのネットビジネスの収入から必要経費を差し引いた金額を意味しています。
つまり「ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得」が1円以上とは、アフィリエイトブログの運営が黒字ということです。

わかりにくいのは、(エ)の「給与所得と退職所得以外の所得の金額の合計額(「ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得」を含む)が20万円を超える」です。
こちらは基本的にネットビジネス・アフィリエイト収入やその他の副業(FXや仮想通貨など)の利益の合計額が20万円を超えるという意味だと理解しておけば問題ありません。

②について

こちらは2か所以上から給与の支払いを受けている給与所得者の場合です。
掛け持ちでアルバイトやパートをされている方はまずこちらで判定することになります。

(ウ)の「ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得」が1円以上とは上記の①で説明したとおり、アフィリエイトなどのネットビジネスの利益が黒字だということを意味しています。
詳しく知りたい場合は①の説明を参照してください。

(エ)の「主たる給与以外の給与の収入金額」とは、年末調整をした所(「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した所)以外から支払いを受けた給与(天引き前)の合計額のことです。

給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額(「ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得」を含む)については、上記①の説明と同様です。

またもや、わかりにくい項目があります。
(オ)の「給与所得の収入金額から、各所得控除(雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除を除く)の合計額を差し引いた金額が150万円を超える」とは、次のことを示しています。
額面金額(天引き前)の給与の年収金額から、上記で除外されていない各所得控除(扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除など)の合計額が150万円を超えるということです。

こちらの説明でもまだ理解しきれないかもしれません。
しかしこれ以上基本的なことにふれると文章のボリュームが膨大になってしまうためここでは省略させていただきます。
給与の年収が額面金額で150万円を超える場合は、上記の各所得控除についてご自身で調べて確かめてみてください。
どれも基本的なことなので、インターネット検索で簡単に調べることができます。

(カ)については上記①で説明した内容と一緒です。

③について

こちらは主婦の方や学生の場合が多いと思います。
年末調整していない場合において、その年に所得があるときは原則として確定申告が必要です。

④について

こちらはネットビジネスやアフィリエイトに関係なく何らかの理由により確定申告をする場合です。
その場合にアフィリエイトなどのネットビジネスの収入が1円でもあるときは、それを確定申告書に記載しましょう。
「ネットビジネス・アフィリエイトに関する所得」が0円のときは、雑所得の項目でそのことを反映します。
総収入金額と必要経費を同額として記載すれば問題ありません。

念のために、“何らかの理由により確定申告する場合”の例をいくつか挙げておきます。
・ふるさと納税
・医療費控除
・住宅ローン控除
・事業所得(自営業など)
・不動産所得(賃貸物件のオーナー)
・株式投資の損失を繰越すとき


以上で確定申告をする必要がある場合の説明はおしまいです。
いかがでしたでしょうか。
ご自身の場合を当てはめて確かめられたでしょうか。

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